黒博物館 ゴースト&レディ
2024-05-10


「黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ」が好きすぎて、その関連図書を
読み漁ってきましたが、さすがにメアリー・シェリーの母親の
メアリー・ウルストンクラフトの「女性の権利の擁護」までは
手が出せず、黒博物館の他のシリーズへ移ります。

「黒博物館 スプリンガルド」(全1巻)が第1シリーズ。
1837年からロンドンを騒がせたバネ足ジャックについての
ちょっと不思議な物語。せつない片思いとも言えます。
第2シリーズは「黒博物館 ゴーストアンドレディ」(全2巻)で、
劇団四季で舞台化されるとか。
他の二つのシリーズとは違い、本物の幽霊が出てきます。
劇場に取りついたゴーストと彼に頼みごとをするとあるレディ。
二人(?)は遠くクリミア戦争の現場まで出かけていくことに…
と言ったらレディが誰だかわかっちゃうか。
この話で私がうなったのは、人間はだれしも自分の頭上に
生霊を抱えているという設定です。黒い影のようなのもあれば、
グロテスクなモンスター級のものまでさまざまです。
その生霊は同士が互いに戦ったりする。あまり恨みを持たないタイプの
人間の生霊は弱くって、すぐやられちゃって宿主もダメージを
受ける。私の生霊はどんなかしらんと想像してちょっと楽しいというか
ちょっと恐ろしいというか。
生霊は人間には見えません。でもたまに例外がある。そのレディには
他人の生霊が見えるのです。自分のは見えない。
自らの信じた道を行こうとするレディに、立ちふさがる人びと、
そしてその頭上には恐ろしい生霊が牙をむく。ただでさえ
反対を押し切って進むのは大変なのに、悪意の塊が目に見えれば
フツーの人ならあきらめちゃいますよね。
[読書]
[本]

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